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広島家庭裁判所 昭和63年(家)230号 審判 1988年3月12日

申立人 養父となる者 杉野幸一

申立人 養母となる者 杉野礼子

事件本人 養子となる者 杉野和夫

事件本人 養子となる者の父 高石裕幸

事件本人 養子となる者の母 山田和子

主文

本件申立てを却下する。

理由

本件申立書の記載及び記録中の戸籍謄本によれば、本件未成年者の年齢は本件申立て時(昭和63年2月12日)において既に8歳を3か月余超えていることが認められ、この点において、養子となる者の年齢制限(申立て時において原則として6歳未満、例外的に8歳未満)を定めた民法817条の5の要件に合致していないことが明白である。(本件申立てを受付けた係官の報告によると、申立人らは事情があって事件本人(養子となる者)と既に普通養子縁組をし、これを養育している者であって、かねて特別養子縁組制度が実現すれば改めてこれに移行したいと考え、待ち望んでいたところ、本件申立てに際して係官から養子となる者の年齢制限が上記のとおりであることの説明を受けてはじめてこれを知ったのであるが、諦らめ切れずに本件申立ての受付けを懇望し、裁判所の判断を求めた由であり、このことからしても申立人らの切実な心情が窺われるけれども、上述のとおり、特別養子となる者の年齢は原則として申立て時に6歳未満とされており、6歳に達する前から引き続き養親となる者(申立人)に監護されている場合には、関係者が特別養子縁組の決断をするのになお時日を要することがあるであろうから、例外的に2年間の猶予期間を設けて、申立て時に8歳未満であってもよいこととした法の趣旨からすると、更になおそれ以上の例外を認める訳にはゆかないことはいうまでもない。)

そうするとその余の点を調査、判断するまでもなく、本件申立てはこれを不適法として却下せざるを得ない。

よって主文のとおり審判する。

(家事審判官 藤戸憲二)

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